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甘い飴と甘い鞭
第10章 夢と現のその先に
夢は無情にもそこで醒めた。
目が醒めた時、おれは額にびっしょりと汗を掻いていた。
もしかしたらもっとずっと長く夢を見ていたのかもしれない。
思い出せたのはたったそれぽっちだっただけで。
肩越し、息の気配を感じて初めて気づく。
おれ、今抱きすくめられてる。
首に回ったジェイの腕にそっと触れる。
温かい、を通り越して熱いその体温に、おれは汗を掻いていたんだ。

「……なァんだ」

反対の手で汗を拭う呟きは自嘲めいた。
多分、あの夢は最後に見るあの人の夢だった。
そう思ったら何だか悲しさよりも切なさが勝る。
きっとおれはこれからもまだ、しばらくはこんな風にあの人の夢を見るんだろう。
それでも目覚めたらすぐそこにいるのはコイツなんだ。

「……ばかみたい」

おれはゆっくりと身じろいで、ジェイの方に向き直った。

「そこまで言うなら、おれに教えてよ」

ぐっすりと眠った寝顔の頬を包み込んで、キスを落とす。

「愛するって、なんなのさ」



おれは、まだまだ夢に囚われたままの犬だ。
だけど少しだけなら信じたっていいだろ?
甘い飴も、鞭も、全部すべからくおれにくれる、コイツが言う愛って奴を。
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