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甘い飴と甘い鞭
第3章 SWEETEST DREAM
ひとりで自分を慰めても、胸の虚は埋まらない。
おれはあの夜以来、そんな思いに拍車が掛かっていた。

――足ンない。

何度そう呟いたかわからない。
あの日以来、ジェイはまたそれまでと同じように週一度の割合で夜中帰りをしていたし、おれはまた慰安をしていた。
お互い様だ、と思いながら。
だけど……ジェイには女がいても、おれには相手がいない。
それに気づいたら、ひとりでスることにも飽いてしまった。
ジェイに抱かれるのだけは、嫌だった。
おれの痴態を知らないアイツに、それを知られることだけはどうしたって避けたかった。
あの夜、おれを抱くアイツの強引さに、言葉に、打ち震えてしまった自分を戒める。
あの人じゃなきゃ、だめなんだ、と。



ある日、おれは携帯端末を手に画面を睨みつけていた。
いくら自制心で諭したところで、心のもやつきも体の渇きも癒されるわけじゃあない。
端末の画面には、出会い系掲示板、の文字。
おれは、体の欲求に従うことにした。
隣町まで一時間足を延ばし、夜の街角で待ち合わせをして知らない男とヤる。
怖くないかと聞かれたら、怖さはもちろんある。
だけど、プルオットにいたころはこれと同じようなものだった。
違ったのはただ一つ。
おれが強請らなければどの男もサディスト気取りにはならなかったこと。
そう、どうあがいたって普通の男ばかりだった。
それはおれの運の悪さなのかもしれない。ただ、気取りが上手い男さえ、おれが強請らなければそれをしなかった。
おれにとっては、それは萎える要素の一つだった。
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