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敗者の美酒
第1章 2014年 厳冬
仕事
大きくて 重そうな 古ぼけた 歯車が
苦しそうに 割れている
長い年月 人目に触れず 褒められもせず
ただひたすらに 回り続け 軋みながら
人間の代わりに 壊れてくれたんだよ
誰かの代わりに ゴミになって捨てられるんだ
私の代わりに 死んでくれたんだ
あなたの代わりに こんな姿に
人を人とも思わない
あの偉い人もいつかは
この歯車のように 壊れて捨てられるさ
その事を今は知らずに 人を蔑みバカにして
いつかきっとあの歯車に
潰される事を今は知らずに