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スパイ少女は奴隷になる
第2章 露呈
 シャワーを終えた私が髪の毛を拭いていると、突然、脱衣所の扉がガチャリと開きました。驚いた私は跳ねるように音の反対側に飛び退き、開いた扉の方を向きます。すると、そこには先ほど出て行ったはずの嶺二くんが立っていました。鍵の閉め忘れ、そんな初歩的なミスで秘密はバレてしまいました。
 彼の視線はまっすぐ私の裸体に向けられていて、激しく動揺した私は尻餅をついてタオルを落として、私のわずかに膨らんだ胸と、無毛の子供のような割れ目が顕になってしまいます。
 
「ひゃっ……、あ、あの、これは……」

 やってしまった。私は血の気が引いて真っ青になりながらも、なんとか弁明しようと中身も考えずに言葉を切り出しました。しかし彼は何かを察したかのように、みるみるうちに憎しみの表情を浮かべ、私の髪の毛を鷲掴みにします。

「痛っ!ちがっ、あっ、待って……」
 
 突然の暴力に叫びますが、彼は聞く耳を持たずに私の頭を引っ張ります。そして髪をリードのようにしながら、リビングまで無理やり連れて行くと、カーペットの上に私を放り投げました。打ち付けられた体の側面の痛みに震えがこみ上げてきます。

「嶺二君、ち、違うんです、これは……」
 
 私は男の子としての演技も忘れて、高めの地声のままに弁明しようとしました。彼は私の言葉一つ一つ苛立ったように、お腹を蹴り上げました。お腹の方からドスっと言う鈍い音がして、一瞬呼吸が止まり、肺の空気を吐き出すような奇妙な悲鳴が出ます。命が背中から抜けてしまったのではないかと言うほどの衝撃に、お腹を抱えて悶え苦しみます。みぞおちを蹴られたせいか、呼吸が乱れて軽くパニックを起こしてしまい、思考が拡散していきます。

「お前、スパイだったんだろ。それに男ですらなかった」
「けほっ……、あ、あぁ……」

 失敗した……。私は全身から力が抜けていくのを感じました。そして脳裏には死という一文字が浮かびます。正体のバレたスパイの末路などというものはたいてい決まっているものです。特に私のようなプロフェッショナルではない存在の末路というものは。
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