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スパイ少女は奴隷になる
第9章 狂騒のあとに
「今は盤石の水無月家だが、10年前に経営が傾いて、危機的な状態に陥ったことがあった」
「その時、俺の母さんは知り合い中に頭を下げて、融資を募ったが、全員に断られた。調子がいい時は仲良さげだった奴らも全員だ」
嶺二様はゴクリと唾を飲み込みます。
「そして、母さんは自殺した。遺書には一切俺や父を呪うような言葉はなく、ただ保険金を残して……」
「それから父は、悲しみの中奮起して、何とか水無月を立て直したんだ」
嶺二様の眉間に皺が寄って……。
「そしたらどうだ?追い詰められた時には俺たちを裏切って、虫ケラのように俺たちを追い払った奴らが掌を返して、擦り寄ってきたんだ」
「俺はアイツらが、あの時見せたニヤけ面が今でも忘れられない。だから、俺はお前を……」
そこまで言うと鏡に映った嶺二様は驚いたように僅かに目を見開き、バツが悪そうに視線を伏せました。そして、黙ってしまいます。この時ばかりは彼の背中がなんだか寂しげで小さく見えました。シャワーを止めているせいか、少しだけ肌寒くて、彼に触れている手のひらだけが暖かかったです。
「あのっ、その……、私、これからもどんな罰でも受け入れます……絶対に2度と嶺二様を裏切りません」
その言葉は彼への罪悪感から出た言葉でした。でも、今までと質が違います。今まで抱いていた完璧な存在を損なったことへの罪の意識ではなく、共感できる他者の痛みからくる純粋な罪悪感です。
シャワーヘッドから再びお湯が溢れて、嶺二様が振り返ります。泡だらけの背中に水が跳ねて霧のようでした。
「美柑、お前はただ奴隷のくせにずいぶん俺に忠誠を尽くすんだな。……言われなくても、これからも徹底的に甚振ってやる」
嶺二様と目が合います。顔が近付いてきて、逃げ場を塞ぐように後頭部に手が添えられ、そして、唇を奪われます。
「その時、俺の母さんは知り合い中に頭を下げて、融資を募ったが、全員に断られた。調子がいい時は仲良さげだった奴らも全員だ」
嶺二様はゴクリと唾を飲み込みます。
「そして、母さんは自殺した。遺書には一切俺や父を呪うような言葉はなく、ただ保険金を残して……」
「それから父は、悲しみの中奮起して、何とか水無月を立て直したんだ」
嶺二様の眉間に皺が寄って……。
「そしたらどうだ?追い詰められた時には俺たちを裏切って、虫ケラのように俺たちを追い払った奴らが掌を返して、擦り寄ってきたんだ」
「俺はアイツらが、あの時見せたニヤけ面が今でも忘れられない。だから、俺はお前を……」
そこまで言うと鏡に映った嶺二様は驚いたように僅かに目を見開き、バツが悪そうに視線を伏せました。そして、黙ってしまいます。この時ばかりは彼の背中がなんだか寂しげで小さく見えました。シャワーを止めているせいか、少しだけ肌寒くて、彼に触れている手のひらだけが暖かかったです。
「あのっ、その……、私、これからもどんな罰でも受け入れます……絶対に2度と嶺二様を裏切りません」
その言葉は彼への罪悪感から出た言葉でした。でも、今までと質が違います。今まで抱いていた完璧な存在を損なったことへの罪の意識ではなく、共感できる他者の痛みからくる純粋な罪悪感です。
シャワーヘッドから再びお湯が溢れて、嶺二様が振り返ります。泡だらけの背中に水が跳ねて霧のようでした。
「美柑、お前はただ奴隷のくせにずいぶん俺に忠誠を尽くすんだな。……言われなくても、これからも徹底的に甚振ってやる」
嶺二様と目が合います。顔が近付いてきて、逃げ場を塞ぐように後頭部に手が添えられ、そして、唇を奪われます。

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