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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第28章 父の日の前夜 ~夢の余韻(start-2day)~彩香編③
結婚式から1年と7ヶ月後。
神奈川のマンションは、以前より少し広くなった3LDKへ引っ越していた。
春の穏やかな午後、
彩香はベビーベッドのそばに座り、静かに眠る小さな命を見つめていた。
名前は「大内 葵(あおい)」。
生後3ヶ月の娘だった。
彩香は出産からまだ体が完全に回復していないながらも、柔らかい笑みを浮かべていた。
黒縁メガネをかけ、授乳しやすいゆったりした部屋着姿。
むっちりとした体型は出産でさらに母らしい丸みを帯び、
表情には深い充足感が宿っていた。
「葵ちゃん……お父さんにそっくりだね」
小さな葵は、健治さん譲りのしっかりとした眉と、彩香譲りの大きな瞳を持っていた。
玄関の鍵が開く音がした。
「ただいま」
低い、渋みのある声。
健治さんが仕事から帰ってきた。51歳になった今も、
がっしりとした体躯と厚みのある胸板は変わらず、逞しい存在感を放っている。
「健治さん、おかえりなさい」
彩香が立ち上がろうとすると、健治さんは素早く近づき、彼女の肩を押さえて座らせた。
「動くな。まだ安静にしていろ」
そのままベビーベッドを覗き込み、娘の小さな顔を指でそっと撫でる。
鋭い眼差しが、驚くほど柔らかく溶けた。
「……葵、今日もよく寝てるな」
彩香は健治さんの腰に腕を回し、厚い胸板に頰を寄せた。
「今日も一日中、葵ちゃんのこと見てるだけで幸せでした。
健治さんの子供を産めて……本当に良かった」
神奈川のマンションは、以前より少し広くなった3LDKへ引っ越していた。
春の穏やかな午後、
彩香はベビーベッドのそばに座り、静かに眠る小さな命を見つめていた。
名前は「大内 葵(あおい)」。
生後3ヶ月の娘だった。
彩香は出産からまだ体が完全に回復していないながらも、柔らかい笑みを浮かべていた。
黒縁メガネをかけ、授乳しやすいゆったりした部屋着姿。
むっちりとした体型は出産でさらに母らしい丸みを帯び、
表情には深い充足感が宿っていた。
「葵ちゃん……お父さんにそっくりだね」
小さな葵は、健治さん譲りのしっかりとした眉と、彩香譲りの大きな瞳を持っていた。
玄関の鍵が開く音がした。
「ただいま」
低い、渋みのある声。
健治さんが仕事から帰ってきた。51歳になった今も、
がっしりとした体躯と厚みのある胸板は変わらず、逞しい存在感を放っている。
「健治さん、おかえりなさい」
彩香が立ち上がろうとすると、健治さんは素早く近づき、彼女の肩を押さえて座らせた。
「動くな。まだ安静にしていろ」
そのままベビーベッドを覗き込み、娘の小さな顔を指でそっと撫でる。
鋭い眼差しが、驚くほど柔らかく溶けた。
「……葵、今日もよく寝てるな」
彩香は健治さんの腰に腕を回し、厚い胸板に頰を寄せた。
「今日も一日中、葵ちゃんのこと見てるだけで幸せでした。
健治さんの子供を産めて……本当に良かった」

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