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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第31章 父の日の前夜 ~夢の余韻~(start-1m) 健治編③
病院・分娩室 午前4時半。

陣痛が本格化し、彩香は分娩台に上がっていた。
顔を真っ赤にし、汗だくで息を荒げながら、健治の手に爪を立てて耐える。

「ううっ……! 痛い……痛いよぉ……健治さん……!」
「彩香、頑張れ。俺がここにいる。手を離さないからな」

健治は分娩台の横に座り、彩香の肩を抱き、額の汗を拭き続けていた。
白衣の医師と助産師が忙しく動き回る中、健治の低く渋い声だけが彩香の支えだった。

「もう少しで全開大だそうです。頑張ってください!」

陣痛の波が来るたび、彩香は健治の逞しい腕にしがみつき、声を上げた。
健治は一切動じず、彩香の背中をさすり、耳元で繰り返し囁いた。

「息を吐け……そうだ。いい子だ。
葵が、お前の中で一生懸命頑張ってる。
パパもママもここにいるからな……」

いよいよいきみの時が来た。

「はい、息を吸って——いきんで!」

彩香は全身の力を込め、健治の手を握りしめながら必死にいきんだ。

黒く大きな乳輪が汗で光り、張りきった胸が激しく上下する。

「うああぁぁっ……! 出る……!」

「頭が見えました! もう少しです!」

健治は彩香の頭を抱き、力を込めて励ました。

「彩香、もう少しだ! お前ならできる! 俺たちの葵だ……!」
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