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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第35章 初めての二人の特別な父の日~秘密を打ち明けて~③
互いの過去を打ち明け合い、抱き合ったまま長い沈黙が流れた後。

健治さんは彩香の顎を優しく持ち上げ、潤んだ瞳を真っ直ぐに見つめた。


「……彩香。お前が俺の傷を、俺がお前の寂しさを……埋め合えるなら、それでいい」

低く熱を帯びた声で囁き、健治さんは彩香をソファーにゆっくりと押し倒した。

彩香の背中がソファーの背もたれに沈む。
羽織ったブラウスが乱れ、胸が露わになる。
彩香は恥ずかしそうに目を泳がせながらも、健治さんの首に細い腕を回した。

「……健治さん」

健治さんは彼女の唇に優しくキスを落とし、ゆっくりと深く舌を絡めた。
長いキスが終わる頃、彩香の息がすでに乱れていた。

健治さんは彩香の耳元に唇を寄せ、低く掠れた声で続けた。

「離婚の話……さっきしたが。でも、まだ話してないことがある」

彼は彩香の背中を大きな手で優しく撫でながら、どこか遠い目をした。

「香織と結婚してから……セックスレスだった。
『疲れてる』『貴の面倒で精一杯』だといわれ……
拒否されることが多くなって、最後の方は触れてもらうことすらなかった」

健治さんの声は静かで、重かった。

「男として、寂しかった。すごく……。
家に帰って、妻に『今日は疲れてる』と言われ、
布団で背中を向けられる夜が何百日も続いた。
俺は最低な過去があったから、責められるのも仕方ないと思って我慢してた。
でも、心のどこかで……
『俺は一生、女に愛される資格なんてないのか』って思っていたからな。」

彩香は健治さんの胸に顔を埋め、ぎゅっとシャツを掴んだ。
胸が痛むような表情で、健治さんの広い背中に手を回した。

「……健治さん」

「彩香と出会って、こうして抱き合えるようになって……
初めて、本当に女を愛するってどういうことか、味わっているぞ」

健治さんは彩香の髪に鼻を埋め、深く息を吸った。

「お前が欲しがってくれる。俺の体を求めてくれる。それが、こんなに嬉しいなんて
……47歳になって初めて知ったからな。」
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