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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第37章 父の日の余韻と、意地悪な愛~二人の甘い月曜日~ 午前編
月曜日 朝 6時45分 横浜市神奈川区 彩香の自宅マンション

彩香はゆっくりとまぶたを開けた。
まだ少し眠気が残る体を起こそうとして、隣に違和感を覚える。

「……あれ?」

ベッドの右側は空っぽだった。
健治さんの体温が少し残っているシーツを、彩香はぼんやりと撫でた。

昨夜、狭いシングルベッドでぎゅっと抱きしめられながら眠りについた記憶が鮮明に蘇り、頰が熱くなる。

(……夢じゃ、なかった……)

「あれ? 健治さんは……?」

小さく呟きながら上半身を起こした瞬間、キッチンの方から小さくフライパンの音と、
包丁の軽いリズムが聞こえてきた。

彩香は慌ててベッドから降り、パジャマを着たまま、
素足でリビング兼キッチンへ向かった。

ドアをそっと開けると

——エプロン姿の大内健治が、彩香の小さなキッチンに立っていた。
広い肩幅と厚みのある背中が、朝の柔らかな光の中でとても頼もしく見える。
フライパンでは卵がふんわりと焼け、別の鍋では味噌汁の良い香りが立ち上っていた。

さらに、隣のカウンターにはお弁当箱があり、健治さんは黙々と詰め物をしている。

彩香は目を丸くして固まった。


「おはようございます……! えっ! 料理してくださってるんですか?
いいのに……!」


健治さんは振り返り、口ひげの端を優しく緩めて低く笑った。
朝の柔らかい光が、深く刻まれた皺と精悍な顔立ちを優しく照らしている。

「おはよう、彩香。ちゃんと起きたんだな」

健治さんは、彩香の頭を軽く撫でてから続けた。

「冷蔵庫勝手に開けて食材使ってすまないな。昨日のお礼だ。
……彩香が一生懸命作ってくれた夕食、すごく美味しかったから」
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