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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第37章 父の日の余韻と、意地悪な愛~二人の甘い月曜日~ 午前編
彩香は耳まで真っ赤になりながら、キッチンに近づいた。
Tシャツの裾をぎゅっと掴み、恥ずかしそうに健治さんの背中に寄りかかるように立つ。

「そんな……お礼なんて……私の方が、ずっとしてもらったのに……」

声が小さく震えていた。

昨夜の激しい抱擁や、お風呂で甘い親子プレイをしたことまで思い出して、
足の指が内側に丸まる。
健治は低くくすりと笑い、彩香の腰に片手を回して軽く引き寄せた。

「いいんだ。俺がやりたかったことだ。朝はちゃんと食べて出社するんだぞ」

そう言って、彼は彩香の額に優しくキスを落とした。

彩香の視線がカウンターのお弁当箱に自然と向くと、健治は素早く蓋を閉めて隠した。

「……弁当の中身は秘密だ」

「えっ……!」

「今朝、彩香のために作った特別製だ。
昼休みに開けて、ちゃんと食うんだぞ。」

意地悪く目を細めながらも、声は優しい。

彩香は「もう……」と小さく頰を膨らませながらも、嬉しさで胸がいっぱいになった。

(……健治さんが、私のために朝ごはんとお弁当を……)

彩香は健治さんの広い背中にそっと顔を押しつけ、
Tシャツ越しに彼の体温を感じながら呟いた。

「……ありがとうございます、健治さん。今日も……一日、頑張れそうです」

健治は後ろ手に彩香の頭を優しく撫で、満足げに低く答えた。

「ああ。俺もだ。……朝、彩香の顔を見てからリモートワークできるのが嬉しいからな。」


朝のキッチンに、温かい味噌汁の香りと、二人の穏やかな時間が静かに満ちていった。

父の日の甘い余韻を残したまま、新しい一週間が始まろうとしていた。
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