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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第38章 父の日の余韻と、意地悪な愛~二人の甘い月曜日~ 昼編
月曜日 12時5分 神奈川支店 13階 休憩室

昼休みになり、彩香は企画部の席で少し迷った後、弁当箱を持って休憩室へ移動した。
幸いなことに、休憩室の隅の席は人が少なく、誰にも見られにくい位置だった。

(……健治さんが作ってくれた弁当、どうなってるんだろう……)

胸がドキドキしながらも、どこか楽しみで仕方ない。

彩香は周囲に人がいないことを何度も確認してから、そっと蓋を開けた。

瞬間——

ケチャップライスの上にふんわり焼かれた黄色いオムライス。


その表面に、赤いケチャップで大きく、はっきりと描かれたハートマークが目に入った。

「っ……!?」


彩香の顔が一瞬で爆発的に真っ赤になった。
耳の先まで熱くなり、首筋まで火照る。


慌てて弁当箱の蓋をパタンと閉じ、両手で箱を胸に抱きしめた。

(ハ、ハ、ハート……!?健治さん……! こんなの……会社で開けたら死ぬ……!)

心臓がバクバクと鳴り、呼吸が浅くなる。
周りに人が来ていないか再び必死に確認しながら、彩香は小さく身をよじった。

(意地悪……意地悪すぎる……でも……嬉しい……)

その時、スマホが震えた。

<LINE>

12:08 健治さん
昼休みだな。
弁当、ちゃんと開けたか?
ハート、ちゃんと見えた?


彩香は画面を見て、さらに顔を赤らめた。
もう限界だというように、額をテーブルに軽くくっつける。

(もう……耐えられない……こんな意地悪だなんて……!)
しかし指は素直に動いていた。彩香

【スタンプ:顔を真っ赤にして両手で頰を押さえるうさぎ】
【スタンプ:穴に顔を半分隠して恥ずかしそうにもぐもぐしているもぐら】

12:09 彩香
……もう、限界です……
意地悪すぎます……(´;ω;`)

12:09 健治さん
可愛いな。
ちゃんと食えよ。
俺は今、お前のこと想像してニヤニヤしてる。
午後の会議も楽しみにしてるぞ。

彩香はスマホを両手で握りしめ、休憩室のテーブルに顔を埋めたくなった。

恥ずかしさと嬉しさで胸がいっぱいになりながらも、
オムライスのハートをもう一度そっと確認しては、すぐに蓋を閉じる……
を繰り返していた。

(……健治さん……本当に、意地悪で……大好き……)

昼休みの休憩室で、彩香の頰は最後まで真っ赤なままだった。
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