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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第38章 父の日の余韻と、意地悪な愛~二人の甘い月曜日~ 昼編
同日 13時45分 定例部署内ミーティングの続き

森川リーダーが発言を始めた。


「中山さんのデータも踏まえて、私もセキュリティ関連の強化は急務だと思います。
特に既存顧客向けには、基本パッケージに標準搭載する方向で進めれば、競合との差別化にもなるかと」

健治さんは画面越しにゆっくりと頷き、落ち着いた低い声で応じた。


「森川の意見も大事だな。
顧客の要望にしっかり応える姿勢は大切だな。
ただ……まだ足りない部分があると思う。
一度信頼関係を築いた顧客に対しては、もっと深く、もっと手厚く寄り添う必要がある。
表面的な対応だけでは、結局離れていく可能性が高いからな。
中山が調べてくれた数値を見ても、そこはまだ強化の余地が大きい」


表面上は至って真面目で、課長として的確に指摘をする発言だった。


しかし、彩香の耳には全く違う響きで聞こえた。


(……もっと深く……もっと手厚く……寄り添う……?)


彩香の頰が一気に熱くなった。
昨夜の激しい抱擁や、
今までの「お前をたっぷり可愛がってやる」という言葉が脳裏にフラッシュバックする。

(健治さん……会議で……そんな言い方……!
独占欲……出てる……!)

彩香は資料を握る手に力を込め、必死に俯いた。
耳が熱くて、首筋まで赤くなっているのが自分でもわかった。
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