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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第39章 父の日の余韻と、意地悪な愛~二人の甘い月曜日~ 夜編①
月曜日 17時58分 神奈川市神奈川区 彩香の自宅マンション

会議の余韻がまだ残っていて集中しにくかったが、なんとか乗り切った。
神奈川区の自宅マンションに帰り、鞄と弁当箱を置いて着替えると、
彩香はいつものように横浜市西スポーツセンターへ向かった。

水泳は昔からの趣味であり、ストレス解消法でもあった。


18時35分 横浜市西スポーツセンター

更衣室で着替えてプールサイドに出ると、いつもの25mプールにゆっくりと入った。
クロールで泳ぎ始めるも——

(……健治さん……)

一ストロークごとに、今日の健治さんの声や言葉が頭に浮かぶ。

会議中の意味深な発言。

電話で優しく「守るからな」と言ってくれた声。
今朝のハート弁当。
昨夜の熱い抱擁……泳げば泳ぐほど、健治さんのことばかり考えてしまい、
ペースが乱れる。
25mを往復するだけで息が上がってしまった。

(……ダメだ……今日は全然集中できない……)

30分ほど泳いだ後、彩香は少し疲れてプールから上がった。
タオルで体を拭きながら、ふと見学ルームの方に目を向ける。

(……少し涼んでからもう少し泳ごうかな)

服に着替え、何気なく見学ルームのガラス窓からプールを見下ろそうとした瞬間

——彩香の動きが止まった。25mプールのコースで、力強くクロールを泳いでいる見慣れた背中があった。逞しい肩幅、厚みのある胸板、安定したストローク……

口ひげを生やした精悍な横顔が、水しぶきを上げながらターンする。

大内健治だった。

「…………え?」

彩香はガラス窓の前で固まり、目を丸くした。
タオルを握る手が小さく震える。

(……健治さん……?なんで……ここに……?)

今日も泳ぎに行くなんて、聞いていなかった。しかもこんなところで……

彩香は慌てて窓から少し体を引いたが、視線は健治さんの逞しい泳ぐ姿から離せなかった。心臓が再び激しく鳴り始める。

(……どうしよう……見つかったら……
今日の会議のこととか、電話のこととか……全部思い出してしまいそう……)

プールサイドの照明に照らされた健治さんの男らしい体躯を見つめながら、
彩香はガラス窓の前で耳まで赤くなり、ただ立ち尽くしていた。
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