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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第41章 逃げ切れない平日の甘い攻防~火曜~①
10時50分 神奈川支店 企画部フロア 13階 彩香自席

席に戻った彩香は、すぐにPCを開いてメールを確認した。

件名:【既存顧客向けDXツールの簡易版先行導入】資料添削について
送信者:大内 健治

中山さん
昨日会議で出たお前の提案について、
方向性は良いと思う。
ただ、まだ甘い部分があるので添削した。
添付ファイルを確認してくれ。
今日の午後3時から、面談室で2人だけで作業を進めよう。
スケジュールに入れておいた。
大内

彩香は画面を見て、顔から血の気が引いていくのを感じた。

「……え……」

昨日自分が提案した「既存顧客向けDXツールの簡易版先行導入」が、
正式に健治さんと二人で進める案件になっていた。

しかも今日の午後3時から——面談室で2人きり。

添削ファイルを開くと、丁寧に赤字で修正が入っている。

特に「もっと深く寄り添う」「顧客の信頼をしっかり掴む」といった部分に、
健治さんらしいコメントが付いていた。
彩香は両手で顔を覆い、机に突っ伏した。

「……意地悪すぎる……もう、限界です……」

耳まで真っ赤になり、声にならない声で絶望する。
午後の3時が、急にとても遠く、そして恐ろしく近く感じられた。

(面談室で……2人きり……健治さん、絶対に意地悪してくる……
私、もう耐えられないかも……)

デスクで小さく丸くなりながら、彩香はエナドリをもう一口飲んだ。
疲れと恥ずかしさと、抑えきれない甘い期待が、胸の中で渦巻いていた。
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