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パステルカラー・オレンジ
第4章 出合い
大崎の姿を目にしたとき、千尋は慌てて顔を背けた。


照れているのだろうか。

レ「同じクラ・・・」

ち「ご・・・ごめんなさい!」

そう言って千尋は、大崎の前から逃げるように立ち去ってしまった。

レ(・・・・?)


何にたいしての謝罪なのか、さっぱりだった。


一学年9クラス 総合学、普通、理数と構成され、他が4クラスあるなかで理数科は一クラスしかない。

つまり三年間、理数科の生徒は入れ替わることなく過ごすのだ。


一年生は三階、二年は二階、三年は一階となっているため、大崎は中央階段を三階まで上がり、9組の教室へ足を運んだ。


教室の黒板には、デカデカと入学おめでとうの文字。

すでに千尋を含んだ複数の生徒が、席を自由に確保していた。

大崎も、自分の身体に合うサイズの机を見つけると、そこに鞄をかけた。


『タイムセール!!16時から卵6個入 50円!』

ち(んー・・・これは買いだなー。)

千尋は真剣な表情でチラシを見ていた。

今日のチラシは卵が安いらしい。


?「あれ?千尋が主婦みたいなことしてる!」
千尋はガバッと顔をあげると、爽やかな男がニッコリ笑っていた。

ち「り・・りんちゃん!!!」

驚いた拍子に、声が大きくなってしまい慌てて口を押さえた。
その声にまた、大崎も千尋の方へ顔を向けた。
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