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パステルカラー・オレンジ
第5章 先輩
二人の下校姿は、三階の教室からでも、ハッキリ見えた。

笑い声などは聞こえないものの、千尋が楽しそうに笑っていたのはわかった。


教室の窓を閉め、大崎は鞄を手に取ると、図書室に向けて足を運んだ。


もう、見てはいられなかった。








きっとそれが、彼の本心。




ーーーーーーー・・・


龍「どのあたりかな?」

龍矢が言ったすぐ後に、千尋は足を止めた。

本当は、目的地なんて過ぎていたのだ。
それどころか、少し離れたところに向かって二人は歩いていた。

ち「もう、ここのすぐなので大丈夫です!」

千尋は頭を下げて、自転車のカゴに入っていた鞄を受けとる。


ち(嘘ついちゃった・・・。)


龍「そっか、役に立てて良かったよ!」

ち「入学式初日から迷惑かけてすみません。」


龍矢は、クスッと笑うと千尋に顔を近づけた。


龍「ねえ、千尋ちゃん。」


名前を呼ばれ千尋は、龍矢の顔を見つめ返した。
なんだか、目が離せない。


龍「千尋ちゃんは、好きな人とか・・・いるの?」

龍矢の右手が、千尋の顎に触れた。
親指が、小さな唇を撫でる。


風が、ザンッと音をたてて強く吹いた。


千尋の頭の中に、一人の顔が浮かんだ。



龍矢はクスッと笑う。でも、目が笑ってない。
龍「なんだ、いるのか。」


喉が、乾く感じが嫌だった。
千尋は唾を飲み込む。

龍「その人とは、付き合ってるの?」


千尋は、驚いて咄嗟(とっさ)に首を横にふった。
付き合えたら、良いなとは思うけど・・・っと、肩を落とす。


龍矢は笑うと、千尋の顎にかけた手を離して、それなら安心したと言った。


龍「また、こうやって一緒に帰ったり、教室に顔を出してもいいかな?」


そうきかれて、断れるわけもなく、小さくはいと返事をした。


龍矢は、その返事をきくとニコニコと機嫌良く千尋の前から去っていった。
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