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パステルカラー・オレンジ
第6章 後悔
姫「ほーらー、はやくはやくー!!」

姫子は、右手に握ったピンクの袋を上下に振って大崎の目の前にチラつかせた。


レ「わかりましたから・・手を離して・・。」



大崎が立ち上がろうとした時、姫子が体重をかけてバランスが崩れた。

レ「え・・・」

姫「わ・・わわわわっ!!」


大崎は後ろに仰け反り返り、姫子がそのまま後ろに倒れそうになる。

レ「森永さん!」





『ガタッガシャーーン』



派手な音がして、大崎は倒れた。
そっと横に押され、姫子が倒れることはなかったが椅子の角に頭をぶつけ、かけていたメガネが割れて、大崎は床の上でうめいた。


姫子は慌てて駆け寄ると、大崎の顔を覗きこむ。
普段は前髪で、表情なんて全く見えない。
でも今は、前髪が横に流れ瞼から出血して顔全体が見えていた。
姫子は驚いた。
それと同時に、焦ってもいた。


姫「大崎君、大崎くん!大丈夫?!姫子のせいで!大崎くん!許して!死なないで!!」


涙声で、大崎の身体を揺さぶる。


千尋も、自分の席からガタリと立ち上がり様子を伺ったものの、机と椅子が死角になってよく見えなかった。


レ「・・・大丈夫ですから、身体を揺すらないでください。」


苦しみ痛みを堪えながら、大崎は姫子の目を見て言った。

片眼は、出血の怪我で閉じたままだ。


姫「あっ!眼鏡、眼鏡!!」
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