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第6章 後悔

姫子は、眼鏡を見つけると、ガシッと掴んだ。

姫「大崎君！はい、めがね？」


姫子が手を開いて、渡そうと眼鏡を見ると、レンズが割れて赤い血がベットリついていた。
どうやら、気が動転してレンズが割れていることに気づかず、握ってしまったみたいだ。

大崎は、身体をゆっくり起こすと、前髪を整えポケットからハンカチを取り出した。


レ「森永さん、保健室に行きましょう。」


姫子の手にのった眼鏡を受け取ると、大崎は立ち上がってゴミ箱に捨てた。
それから姫子に手をさしのべて、立てますか？とたずねる。


姫子は頷いて、大崎の手をとって立ち上がると、怪我した手にハンカチが巻かれた。


美「姫子ちゃん、大丈夫でしょうか。」


二人が教室を出た後に、眉をよせて美久は言った。

千尋は、心配だねっとだけ答えて黙る。


半ば自分に呆れてしまった。
いったいなにに対して『心配 』なのだろうか。