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パステルカラー・オレンジ
第7章 304号室
次の日、中間テストの範囲が配られた。
そして、同時に大崎は学校に来なかった。


姫「はーあ!もう、すっごい暇!なんでレオ君休みなのー!」

お昼休憩中、姫子はブーブー口をふくらませてぼやいていた。

美「昨日の雨で、風邪でもお召になったのでしょうか?」



その言葉に、姫子と千尋はビクッとした。


『ピンポンパンポーン』


田「あー!!秋山千尋、職員室に大至急来るように!!」


『ピンポンパンポーン』


田村 ケンダ先生からの呼び出しだった。
千尋は、頭のなかをフル回転させて、自分がなにか悪いことをしたか必死に考えた。
呼び出される理由がなんなのかわからず、とりあえず職員室に向かうことにした。



『コンコン』


ち「失礼します、一年九組秋・・・」


田「おー!秋山はやくこっちこい!」


遠くで田村先生が、急ぎ目の手招きで呼び立てる。
ドキドキしながら進むと、田村先生はニコニコしていた。


田「いやー、手間が省けて助かる!!これ、と、これとこれとこれ、あー、後今日から取ってるノートを図書室でコピーして、大崎のマンションに届けてくれ!」


ち「えっ?!」


思わず声が出てしまった。

ち「ど・・どうして私」

田「なんだよ、お隣さんだろーが!あっ?まさかお前ら、ご近所挨拶ってやつしてないのか?!引っ越しのお兄さんがやってくれる世の中で済ませたら、後々トラブルになりかねないんだぞ!特に秋山、お前は何だかんだで危なっかしいからな、そういうところは前もって・・・」


田村先生が何か言っていたが、もう頭のなかは『お隣さん』の響きでいっぱいだった。
マンションに引っ越した数ヶ月、確かお隣さんは新婚のご夫婦と・・・もう片方の人は、訪れる時間帯はいつも居なくて、結局挨拶を諦めたんだった。


まさかそこに・・・


ち「先生、お隣って・・・304号室の」


田「あっ?ほら見てみろ!これ秋山のマンションの住所303。んでこっち、大崎の住所304だろ。中間始まるのに、僕は資料受け取ってませんとか言われても腹立つからな!んじゃ、あいつが休みの日は秋山が届けてくれ。秋山がダメだったら、小林に頼むから!」


田村先生はガハガハ笑って、千尋の肩をバシバシ叩いた。
肩を落として職員室を後にすると、教室に戻っていった。


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