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お題小説第8弾『梅雨の暴走』
第1章 梅雨に濡れ…
 4

「……」
 ボクはすっかりドキドキしていた。

 だって…
 目の前にある脱衣かごには、今、脱ぎ捨てたストッキングが引っかかり、その傍らにはブラウスが丸まっており…
 そこからなのだろう、さっきエレベーターで感じた、お姉さんの甘い香りが漂っていたから。

「……」
 それに女性に関わるのは、母親以外はなく…
 そして…
 ボクは秘かにお姉さんに、憧れていたから。

 いや…
 ひとつだけ、秘密があったのだが…

「あ、まだ脱いでないのっ」

「あ、は、はい」
 突然、戻ってきたお姉さんに、逡巡を遮られ…

「ほら、はい、多分、啓くん細いから着れると思うんだけど…」
 と、Tシャツとスウェットパンツを手渡された。

「さぁ、早く脱いじゃいなさいね」
 お姉さんは、そう言って、多分、ウチの配置では、リビングに…向かった。

 お姉さんもTシャツにハーフパンツを履き、髪にタオルを巻いていた…
 そして、変わらず、甘い香りがしていた。

 ボクは急ぎ着替え、リビングに行く――

「あぁ…」
 リビングのドアを開けると、コーヒーの芳しい良い香りが漂っていた。

「さぁ、温かいコーヒー淹れたからさぁ…」

「あ、はい」

「あら、スウェット似合ってんじゃん」
 
「そ、そうですか」

「うん、サイズも大丈夫そうだし、さあ、そこに座って…」
 リビングにある、二人掛けのソファーを指を差す。

 ボクは、また、更に、ドキドキとしてしまっていた…
 だって、お姉さんの何気ないT シャツ姿、そのハーフパンツから見える脚が、堪らなくキレイだから――

「さぁ、どうぞぉ」
 コーヒーをテーブルに置き…

「ふうぅ、一段落ねぇ」
 そう呟き…

「……っ」
 お姉さんは、隣に座る。

「あ、コレ、タオル…」
 そう言って、ボクの頭を軽く拭く仕草をしながら、掛けてくれ…

「………」
 そんな、何気にい仕草にも、ボクは、ドキドキしてしまう。

 そして何より、こうして並んでソファーに座り、視線を少しだけでも下げようものならば、お姉さんの無防備な部屋着姿が目に入り…
 緊張と高鳴りと、そして昂ぶりが心を揺らがせてくる。

 なにしろ女性と並んで座ったのは、中三の時以来…
 いや、それは彼女というよりガールフレンド。

 そしてその頃、数回の映画デートで隣に座っただけであったから――

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