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万華のむつごと
第1章 夏の雪
夏の濃い青の空に、力強い入道雲が湧き立っている。
健太は学生カバンを片手に校庭に出て空を見上げた。
風に乗って、ひらひらと白いものが二三、健太の頭上をかすめていった。
見上げると夏空のブルーを背景に無数の白い紙吹雪が舞い降りてくるところだった。
二階の一年生の教室の窓から、笑い声が聞こえる。
妹の志保と、そのクラスメイトの透子だった。
二人は繰り返し窓の外に勢い良く腕を伸ばしては、細かく切った紙きれを空に向かって投げている。
まるで夏の雪のように校庭に舞い降りる紙片を一枚拾ってみれば、ボールペンで何かを書いた形跡がある。
「志保、なにやってんだよ」
健太は声を上げた。
「うるせーよ。優等生はとっとと帰れ」
志保が叫んで、きゃっきゃっと嬉しそうに笑った。
志保の隣で窓から顔をのぞかせていた透子が、健太と目が合うと恥じらいがちにほほ笑んだ。問題児の志保と、お嬢様で有名な透子が一緒にいるのは珍しかった。
健太の心臓が、とくりと脈打った。
健太は学生カバンを片手に校庭に出て空を見上げた。
風に乗って、ひらひらと白いものが二三、健太の頭上をかすめていった。
見上げると夏空のブルーを背景に無数の白い紙吹雪が舞い降りてくるところだった。
二階の一年生の教室の窓から、笑い声が聞こえる。
妹の志保と、そのクラスメイトの透子だった。
二人は繰り返し窓の外に勢い良く腕を伸ばしては、細かく切った紙きれを空に向かって投げている。
まるで夏の雪のように校庭に舞い降りる紙片を一枚拾ってみれば、ボールペンで何かを書いた形跡がある。
「志保、なにやってんだよ」
健太は声を上げた。
「うるせーよ。優等生はとっとと帰れ」
志保が叫んで、きゃっきゃっと嬉しそうに笑った。
志保の隣で窓から顔をのぞかせていた透子が、健太と目が合うと恥じらいがちにほほ笑んだ。問題児の志保と、お嬢様で有名な透子が一緒にいるのは珍しかった。
健太の心臓が、とくりと脈打った。

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