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万華のむつごと
第5章 二十年後の夏祭り
祖母の部屋で盗み読みした菱川師宣の四十八手は、交わる時の体位を紹介するだけの図本ではなかった。そこには恋の喜び、思いが通じ合った二人の間に生まれる親密さなどが描かれていた。

四十八手を開いた先に透子が見たのは、まだ味わったことのない恋の喜びと、思いを寄せる人と結ばれることで開かれる新しい世界だった。

愛する男との四十八手───。透子は自分と健太があらゆる体位でまぐわう絵図を、ことあるごとに夢想していた。

その頃の、恋と欲情をまぜこぜにして体の芯を熱くさせていた、少女時代の自分を思い出す。今も胸の奥で、満たされないまま寂しくうずくまっていた少女時代の自分が、すっ、と立ち上がるような心地を覚えた。


天井に向かって勢い良く突き立った健太の太く長い怒張の先を透子はそっと口に含んだ。

大きく唇を開き、顔が変形するほどにあごをめいっぱい下げてくわえ込み、舌で包み込むようにした。

これは四十八手の一つ、雁が首。
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