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名馬の城
第2章 馬酔酒
渓谷の冷たいで顔を洗い、水を飲んで喉の渇きを潤した。渓谷は紅葉した木々で鮮やかな景色を見せている。

ふと人の気配がして周囲を見回すと、そこには一人の男が立っていた。

男の背丈はゆうに六尺を超え、褐色の肌をしていた。体は筋骨隆々として、年は槻弓と同じか、少し上くらいだろう。

男は何も言わない。じっと槻弓を見下ろしている。

失礼であろう、と言おうとして気づいてしまった。

男の目には明らかに色を孕んでいて、それは自分に向けられている。
しかも、その”目”はあの馬と同じ”目”だった。

(そ、そんな馬鹿な…)

呆気に取られているうちに、男は覆いかぶさってくる。

逃げようにもあっという間に大柄な体にすっぽりと背後から包み込まれ、羽交い絞めにされてしまう。

ジュッという音とともに首筋を吸われ、一気に体の力が抜けてしまった。
耳を男の唇で食まれ、不覚にも体の芯が熱くなった。

「あっ…やめっ……」

服の中に手を入れられ、大きな手で上半身を丁寧に愛撫される。
その手は意外にもやわらかく、温かだった。

耳元で男の吐息が聞こえ、それが妙に色っぽく聞こえる。

もちろん自分は男色の趣味はないし、男相手に体を好き勝手されるなど、屈辱以外の何物でもない。


それなのに…なぜか体は抵抗できずにいた。


「ひぃっ…!!」


男は胸の突起をぎゅうっと抓んだ。
ビリビリと甘い痺れが全身を突き抜け、体が勢いよく跳ねてしまう。

それを見た男は楽しむように突起を抓んだり、潰したりして、同時に耳を舐めたり、甘噛みを始めた。

「やぁぁぁ……」

じわじわと追い詰められ、快感が下半身に集中する。
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