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『帰り花の夜に』~義母の静謐なる背徳
第4章 義息~超えてはいけない境界線(3)
ところで、つい最近、「美香、セックスしてないから溜まってきた」とライン連絡があったの。テキストの下には、ベッドの上で彼が自らの肉茎を律儀に上下させている短い動画が添付されていた。私は思わず、声を出して笑ってしまった。
それは彼なりの不器用な冗談なのだと理解できたから、私も半分は調子を合わせるつもりで返信を打った。
「パパのオチンチンが早く欲しいわ。私のオナニー動画送ってあげるから、これで今は我慢して」
私は以前に撮ってあった自慰の動画を添付し、「三ヶ月の予定だったけれど、あなたの身体のほうが持たないかもしれないわね。葉月と相談して、できるだけ早く切り上げて帰るようにする」と書き添えた。
「了解」という簡潔な文字とともに、普段の彼なら決して使わないような絵文字が送られてきた。それは深々と頭を下げる小さな人形のアイコンで、「使い方がまるで間違っている」と私はふたたび苦笑した。
***
葉月の家にやって来て一カ月が過ぎた。世界はすっかり本格的な夏の手触りを帯びていた。気の早い蝉たちが午前中から所在なげに鳴き立て、外に出ると舗装道路から跳ね返る熱気が肌を刺す。日傘なしで歩くことは、もはやほとんど不可能に近かった。
一ヶ月という時間は、人間関係のあいだにあった角を綺麗に削り落としてしまうには十分すぎる長さだった。何かここに私が居ることを、まるで以前からそこにあった家具のように自然に受け入れていた。私自身もまた、彼らの日常のサイクルの中へと、滑らかに溶け込んでしまっていた。
亮介くんに至っては、最近では私がバスルームを使っていても、驚くほど平然とした顔で洗面所へ入ってくるようになった。もちろん歯を磨くためなのだが、最初の頃は「すみません、お義母さん、入ってますか?」と、それなりの遠慮がちに声をかけてきたものだった。
一度は私の自宅で全裸をみられたことがあったが、ここにきてから何度か私の全裸に近い姿は見られている。バスタオルを胸まで巻いて髪の毛を乾かしているところに、「すいません。タオル欲しいんですけど……」って言いながら、いきなり入ってきたこともあった。
そんなに大きなバスタオルではないので、胸は隠せても、股間のあたりはきわめて危うい境界線の上にあった。布地がほんの少しでもずれれば、黒い茂みがそのまま視界に飛び込んでしまうような、そんなきわどいバランスだった。
それは彼なりの不器用な冗談なのだと理解できたから、私も半分は調子を合わせるつもりで返信を打った。
「パパのオチンチンが早く欲しいわ。私のオナニー動画送ってあげるから、これで今は我慢して」
私は以前に撮ってあった自慰の動画を添付し、「三ヶ月の予定だったけれど、あなたの身体のほうが持たないかもしれないわね。葉月と相談して、できるだけ早く切り上げて帰るようにする」と書き添えた。
「了解」という簡潔な文字とともに、普段の彼なら決して使わないような絵文字が送られてきた。それは深々と頭を下げる小さな人形のアイコンで、「使い方がまるで間違っている」と私はふたたび苦笑した。
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葉月の家にやって来て一カ月が過ぎた。世界はすっかり本格的な夏の手触りを帯びていた。気の早い蝉たちが午前中から所在なげに鳴き立て、外に出ると舗装道路から跳ね返る熱気が肌を刺す。日傘なしで歩くことは、もはやほとんど不可能に近かった。
一ヶ月という時間は、人間関係のあいだにあった角を綺麗に削り落としてしまうには十分すぎる長さだった。何かここに私が居ることを、まるで以前からそこにあった家具のように自然に受け入れていた。私自身もまた、彼らの日常のサイクルの中へと、滑らかに溶け込んでしまっていた。
亮介くんに至っては、最近では私がバスルームを使っていても、驚くほど平然とした顔で洗面所へ入ってくるようになった。もちろん歯を磨くためなのだが、最初の頃は「すみません、お義母さん、入ってますか?」と、それなりの遠慮がちに声をかけてきたものだった。
一度は私の自宅で全裸をみられたことがあったが、ここにきてから何度か私の全裸に近い姿は見られている。バスタオルを胸まで巻いて髪の毛を乾かしているところに、「すいません。タオル欲しいんですけど……」って言いながら、いきなり入ってきたこともあった。
そんなに大きなバスタオルではないので、胸は隠せても、股間のあたりはきわめて危うい境界線の上にあった。布地がほんの少しでもずれれば、黒い茂みがそのまま視界に飛び込んでしまうような、そんなきわどいバランスだった。

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