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『帰り花の夜に』~義母の静謐なる背徳
第7章 義息~超えてはいけない境界線(6)
「お義母さん」と彼は言った。声は掠れ、夜の底に沈む小石のように重たかった。「いいですか」
「何が?」と私は尋ねた。もちろん、自分が何を尋ねているのかは正確に知っていた。
「ここから先のことです」と彼は私の目を見つめたまま言った。その瞳には、ある種の深い渇きと、それをこれから完全に満たそうとする明確な確信が宿っていた。
「僕たちはもう、ただの同居人には戻れませんよ」
「最初から、そんなものには戻れないわ」私は静かに息を吐いた。
「あなたが私の手を取った瞬間に、時計の針は戻らない方向に動き始めているのよ」
「知っています」と彼は微かに口元を緩めた。
「この部屋の空気を吸い込むたびに、お義母さんの匂いが体に入ってくる。……ずっと、こうなることを考えていました。あなたがキッチンに立っているときも、子供をあやしているときも」
「不謹慎な人ね」
「道徳の話をしているんじゃないんです」
彼は私の手をさらに強く握り締めた。
「身体の話です。これから僕がお義母さんをどう抱くか、あなたがどんなふうに僕を受け入れるかという、単純な話です」
「私の身体が、あなたを求めているとでも?」
「求めていますよ。現に、お義母さんの脈はさっきから信じられないくらい速くなっている」
彼は私の手首に親指を添えた。
「これからお義母さんをソファに寝かせて、服を一枚ずつ剥いでいく。そして、あなたがこれまで夫と重ねてきた凡庸な時間のすべてを、もっと深い場所から塗り替えてみせます。僕が中に入ったとき、あなたがどんな声を出すのか、僕はもう知っているような気がするんです」
「……随分と自信があるのね」
「自信じゃありません。予感です。雨が降る前にツバメが低く飛ぶのと同じくらい、確実なことです。お義母さんを今夜、自分が女であることをこれ以上ないくらい思い知らせてあげます」
「何が?」と私は尋ねた。もちろん、自分が何を尋ねているのかは正確に知っていた。
「ここから先のことです」と彼は私の目を見つめたまま言った。その瞳には、ある種の深い渇きと、それをこれから完全に満たそうとする明確な確信が宿っていた。
「僕たちはもう、ただの同居人には戻れませんよ」
「最初から、そんなものには戻れないわ」私は静かに息を吐いた。
「あなたが私の手を取った瞬間に、時計の針は戻らない方向に動き始めているのよ」
「知っています」と彼は微かに口元を緩めた。
「この部屋の空気を吸い込むたびに、お義母さんの匂いが体に入ってくる。……ずっと、こうなることを考えていました。あなたがキッチンに立っているときも、子供をあやしているときも」
「不謹慎な人ね」
「道徳の話をしているんじゃないんです」
彼は私の手をさらに強く握り締めた。
「身体の話です。これから僕がお義母さんをどう抱くか、あなたがどんなふうに僕を受け入れるかという、単純な話です」
「私の身体が、あなたを求めているとでも?」
「求めていますよ。現に、お義母さんの脈はさっきから信じられないくらい速くなっている」
彼は私の手首に親指を添えた。
「これからお義母さんをソファに寝かせて、服を一枚ずつ剥いでいく。そして、あなたがこれまで夫と重ねてきた凡庸な時間のすべてを、もっと深い場所から塗り替えてみせます。僕が中に入ったとき、あなたがどんな声を出すのか、僕はもう知っているような気がするんです」
「……随分と自信があるのね」
「自信じゃありません。予感です。雨が降る前にツバメが低く飛ぶのと同じくらい、確実なことです。お義母さんを今夜、自分が女であることをこれ以上ないくらい思い知らせてあげます」

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