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彼と私の10コの差
第1章 彼と私の10コの差
放出しきった後、私の横に伊藤くんは倒れ込んだ。
お互い余韻に浸りながら呼吸を調える。

マズったかな。
早くも私は後悔してた。
気持ちよかったのはもちろん良かったんだけど。

指で慣らしもせずに挿入とかどんだけ濡れてんの、って話だし。
しかも自分から足広げちゃってるし。
おまけに腰振ってねだるとかありえないでしょ。

伊藤くんのうつ伏せになった体に問いかける。
まだ引き返せるよ?
付き合おうとか、好きとか言ってないんだもん。
ちょっと魔が差して、とか言っちゃえばなかったことにしてあげる。
私が職権濫用しないタイプで良かったね。

うつ伏せだった体から顔だけがこっちを向いた。
伊藤くんはまた驚いた顔をして、そしてふっ、と笑った。

「また泣きそうな顔してる」

「っ、してない!」

「信用してって言ったじゃないですか」

裸のまま彼が私を抱き締めた。
肌が直に触れ合って心地いい。

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