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ほしいままに
第19章 俺は彼女を離したくない(後藤将行)
聞けば、俺に東京池袋支店への異動の話が出ているという。
池袋の現支店長が急病で来月退職するため、欠員補充だというが、実質これは、栄転の話だ。
俺が池袋支店長に指名された理由は他でもない、ここ数か月の営業実績の目覚ましい成長によるもののはずだ。
この年齢になっての栄転は珍しく、願ってもない話だ。
妻との離婚話も進んでいる俺は身軽なこともあるし、受けない手はない。
「後藤さんにもし、営業担当さんで異動のご推薦があれば伺おうかと」
人事担当は言った。
支店長クラスは担当社員を異動先に「ひっぱる」ことができる、そういう慣習がうちの会社にはある。
ひっぱるとしたらやはりそれは…。
森川澪奈。彼女以外には考えられなかった。
彼女を連れて行きたい理由は、俺のセクハラ発言を切り札として隠し持っている部下を、今後も監視下に置いておく必要があるからだ。
───理由はただ、それだけだよな?
俺はそう自分に言い聞かせ、彼女に対して抱き始めた特別な想いには、重く蓋をした。
池袋の現支店長が急病で来月退職するため、欠員補充だというが、実質これは、栄転の話だ。
俺が池袋支店長に指名された理由は他でもない、ここ数か月の営業実績の目覚ましい成長によるもののはずだ。
この年齢になっての栄転は珍しく、願ってもない話だ。
妻との離婚話も進んでいる俺は身軽なこともあるし、受けない手はない。
「後藤さんにもし、営業担当さんで異動のご推薦があれば伺おうかと」
人事担当は言った。
支店長クラスは担当社員を異動先に「ひっぱる」ことができる、そういう慣習がうちの会社にはある。
ひっぱるとしたらやはりそれは…。
森川澪奈。彼女以外には考えられなかった。
彼女を連れて行きたい理由は、俺のセクハラ発言を切り札として隠し持っている部下を、今後も監視下に置いておく必要があるからだ。
───理由はただ、それだけだよな?
俺はそう自分に言い聞かせ、彼女に対して抱き始めた特別な想いには、重く蓋をした。

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