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ほしいままに
第21章 俺は本当の君を知りたい(後藤将行)
森川澪奈に起こる出来事が、自分に起こる出来事のように思えてしまっている俺がいる。
ドアに手を掛けようとした、その時───
「あの、どうされました?」
薄暗い廊下をナース姿の女性が歩いてきた。
俺は手を下ろし、思わず顔を伏せた。
「すみません、さっき見舞いに来たときに、どうやらこのあたりに鍵を落としてしまったようで」
俺はとっさに前かがみになって、絨毯の上に目を凝らして見せた。
ドアの向こうから聞こえていた物音が、止まった。
森川澪奈と森川宗太郎が、廊下での会話に耳をそばだてているのが気配でわかる。
「一度面会されてから、戻られたんですか」
「ええ…」
困惑しながら俺が答えると、親切な看護師は、手元の懐中電灯を灯し、廊下を照らして回った。

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