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ほしいままに
第24章 光
春江さんが荷物を振り落として駆け寄ってくる。
手にさげていたカフェの紙袋が、地面に叩きつけられた。
コーヒーの茶色い液体が、病院入り口のタイルの上に勢いよく広がる。
私は身をすくめて、急いでタクシーに乗り込み、後藤支店長の袖を引っ張った。
春江さんが後藤支店長の腕にすがりつく。
タクシーの中と外の両側から腕を引かれた後藤支店長は、春江さんの手を振りほどこうとした。
春江さんは必死で、今度は後藤支店長のジャケットにぶら下がるようにしがみつき、顔を私の方に向けた。
「お嬢様!」
春江さんが叫ぶ。

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