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ほしいままに
第27章 迷い
「どうしてもお父さんが大切ならば、もどるか?そして、今度は自分の本当の想いを伝えるのはどうだ?もし森川君がそうしたいのなら」
思いも寄らぬ支店長の言葉に、私の想いは大きく揺れた。
「でも支店長はもう会社も辞めると」
私が言うと支店長は私から視線を外して大きく息を吸った。
「俺は、森川君のために会社を辞めるわけじゃない。自分が辞めたいと思っただけだ。森川君、そんなふうに考えてしまったら、また同じことの繰り返しになる」
「支店長がせっかくここまで私と逃げて来てくれたのに」
「森川君、自分と他人の人生をごちゃ混ぜにしちゃいけない。
それぞれはそれぞれの道を歩くだけなんだから。
誰かの道と自分の道は一本になることはない。
並んで歩けるくらいにそばに近づくだけだ。
感情も同じだ。自分の感情と他人の感情もごちゃ混ぜにしちゃいけない」
そう言って支店長の目はまっすぐに私を見つめた。
その真剣さのなかに、温かさが見えた気がした。
支店長は本当に私の幸せを考えてくれているのだと思った。そして初めて、心から頼れる人が現れたのだと感じた。
けど、支店長は私が実家に帰ることを提案している。
‥私は今、ほかの誰でもなく、支店長のことが必要だと思っているのに。
私は思い切って支店長に尋ねた。

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