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ほしいままに
第27章 迷い
───「さとみ」としてお父さんに抱かれた後は、澪奈として男に抱かれたくなった。
私はさとみではない、私は私だ、ということを忘れてしまわないように、自分を失ってしまわないように、私は男に抱かれて、自分の体の輪郭を確かめて、私の存在を自分自身に刻み込もうとした。
けど、見ず知らずの男たちに抱かれ続けた体は、すり減るように弱っていった。
けれども、そんな風に自分の体を痛めつけることでしか、自分の心を守ることができなかった───
「…私がいなくなったらお父さん、どうなっちゃうだろう」
川面から視線を上げて、支店長を見た。
薄暗い恐怖が背後から近づいてくる気がした。私は背中を丸めて下を向いた。ひどい罪悪感と後悔の念が、私の背中を鞭のように打ち付けてくるような痛みを覚えた。
支店長の手が、私の背中を優しくさすってくれた。
「森川君、きみはさとみさんではない。さとみさんとしての責任を果たそうとまで思っているように見える」
支店長の言葉は、耳をかすめるように過ぎるだけで私の心にまでは届かなかった。
私の両親の死に心を痛めている人を癒せるのは、娘である私以外に誰がいるのだろう。
責任があるのは当たり前のことではないのか。
身じろぎもせず俯いていると、再び支店長が口を開いた。

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