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不倫王の憂鬱
第2章 社内40%制覇
それから何日後かに純子からメールが来た。

彼は無視をした。

1度目のメールは基本的に無視だ。
軽く見られないためによく女性が使う手だが。

すると20分後に携帯が鳴った。

純子だ。

話を聞いているとどうやら彼女は社内での自分の居場所に困り辞めたいと言う。

静子との確執や恵美からのプレッシャーもそのひとつに入っているらしく、彼に嗚咽を漏らしながら訴えてくる。

”ウザイ・・・そんなことよりHOTELでも入って二人でジャグジーバスの中でゆったりしていればすぐに忘れられるのに・・・。”

彼は聞いている振りをしながら純子の落ち着きを取り戻し始めた頃を見計らい、

「純子、今日仕事が終わったら飯に行こう。そこでまたゆっくり聞くよ。」

とだけ告げ、忙しい振りをして電話を切った。

これも彼の術中である。
忙しいそうな男に女は興味を注ぐ。デキル男は昔から女にモテるが、彼はそれを女に演出することでフェイクした自分に惚れさせるのだ。

 二人は新宿から純子の家の近くの武蔵境駅付近まで車で帰っていった。

車中でも純子は色々と我侭な言葉を発し続けていたが、彼は適当に流していた。

純子も聞いていてくれさえいれば満足気だ。

「落合さん、私は仕事をやる気があるんです!だから落愛人としてどうにかしてください。本気なんです!。」

「分かってるよ。純子が俺の言うとおりにしていればお前は幸せを掴めるから・・・。だから黙ってついておいで。」

優しげな口調で彼は純子を諭し、信号待ちの車の中でキスをした。

「俺、あんまり腹減ってないんだ・・・お前は?」

「私も大丈夫です!」

「そう、なら昼間暑くて汗かいたから風呂に入りたいんだけど・・・」

「ハイ!着いていきます!!」

異常なハイテンションの純子を感じて少し微笑ましく思えたがこの時に彼の車にはもう仕掛けを用意してあったのだ。

後部座席の上には彼のZEROハリバートンのアタッシュがあった。



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