パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第1章 第一章　　出会い

真夏の太陽は身体中を溶かし体内を流れる赤い液体まで沸騰しそうになりながら、日蔭を見つける足を早めた私は道路工事している人に目が離せなくなった。


茹だる暑さに耐えながら力仕事をする職人。そんな中に痩せた背の丈も高くない色白の人がいる。

似つかわしくないその風貌を私は凝視するだけだった。

調度休憩になったようだ……。

その男はこちらに向かい歩いてくる。

「暑いね」

ニコニコと笑う彼は私の側にある自販機に金を入れながらそう言った。


私は、ポカーンとしながら慌てて会釈だけしたが、男は構わず話しかけてくる。

「道路工事はアスファルトの照り返しがきつくてね…若い奴らもすぐ逃げだすんだよ」

「はあ…」

こう答えながら、この人は何を言いたいの？なんて思っていた。

「君はこの辺りの人？」

「はあ…」

上手く話せないが何だか人なつっこそうな人だと解釈した。

「明日もここにいるからまた通る機会あれば声かけてな」

「はい」

何だか魔法にかかったみたいにペースを握られ、彼はヘルメットを脱いだ額をタオルで拭う。

頭薄いなあ…

ぼんやりとそんな事を考えていた。

後ろから

「ママ～」

中学に通う娘が呼んだ。


私は何だか切ない気持ちを覚えた。

それは、この変な男にいろんな想像をされるような気がしたから…。

それと同時にこの似つかわしくないシチュエーションに滑稽さを覚えたから…。

そしてこの日を境にこの男との人間関係が深海を漂う事になる……。