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*妄想社長に振り回されて*
第7章 土曜日と日曜日
「ん~!いい天気だなぁ」

カーテンを開け朝日を浴びた。
頭は寝不足と涙で痛いけど、天気がいいだけで少しは前向きな気持ちになれる。

洗濯して掃除して……ベタかもしれないけど泣ける映画でも観に行こう。
仕事も……探そうかな。

会えなくなることを考えると胸はちくっと痛んだけど、ずっとあそこにいたら今度は私が前に進めなくなる。

私は簡単に家事を済ませると出掛ける身支度をして家を出た。
電車に揺られながら目を閉じると、瞼の裏には社長の笑顔が映る。
勝手に涙が一筋流れた。

土曜の朝だから人はそんなに多くなく、私は拭うこともせずにそのまま自然に任せた。
映画館のお姉さんは涙目の私を気にしていたみたいだったけど、特に声を掛けられることもなくチケットを渡される。

映画の内容はあんまり覚えてない。
ただ脇役で出てた俳優さんが何となく社長に似てて、涙を溢れさせるには十分だった。

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