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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第10章 菜々姫~囚われた戦国の美妻
「存じませぬ」

菜々の見知らぬ若い武者たちは、冷静に老人の問いを否定した。

そして、勝重の直近の家臣が口を開いた。

「見知らぬおなごでござるな」

「嘘を申すでない」

「嘘ではないわ。わが殿の奥方様はここにいるおなごとは似ても似つかぬお方じゃて」

家臣の視線と菜々の視線が交錯する。

互いの感情を確かに伝えあうように。

「勝重の正室は隣国に聞こえるほどの美女という」

老人が、勝重の家臣を、そして、菜々を見つめて言った。

「このおなごも粗末ななりをしておるが、その美貌は隠せぬ」

「・・・・・」

「とくと見よ、この高貴な顔つきを」

老人が菜々の頬を掴み、持ち上げる。

きつい視線で、菜々は老人を見詰める。

「男好きがする顔をしておる」

「・・・・・」

「これほどのおなごが他にどこにおるというか」

「知らぬものは知らぬ。このおなごは奥方様ではない」

その言葉を聞いた老人は、菜々の肢体を粘っこい視線で見つめた。

そして、なだめるような声で言った。

「そなた、この武士を知っておろう」

「知らぬ」

「勝重のそばに仕える男であろう」

「知らぬわ・・・・、勝重と名乗る男も、ここにいる者たちも皆知らぬ・・・・」

老人が身を屈ませ、煙管の先で菜々の盛り上がった胸元を撫でる。

美しい丘陵を確認するように煙管の先端で弧を描き始める。

唇を噛み、菜々が僅かに首を振って下を向く。

「勝重を知っておるのだろう、この体が」

「知らぬと言ったはず・・・・」

煙管の先端が、小袖の上から菜々の乳房の頂点をくすぐる。

同時に、老人の口が、菜々の耳元に近づいていく。

菜々は更に強く唇を噛み、顔を横に向ける。

甚八、そして家臣たちの表情が僅かに歪む。

「ならば、そなたが勝重の奥方ではない証拠を見せてもらうまで」

ねっとりとした口調で、老人は菜々にささやいた。

その口元が、菜々の耳に息を吹きかける。

菜々の肢体が僅かに震える。

床を見つめ、菜々は恥辱に耐え続ける。

「そなた、この男の家内じゃそうじゃな」

老人は甚八を示しながら、唐突に言った。

目の前に立つ家臣たちが、僅かに驚いた様子で甚八を、そして菜々を見る。
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