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インペイシェント
第2章 アプローチ
「え~?手だけ~?」

遼次がふざけた調子で圭子を見た。

「手だけに決まってるじゃないっ」

圭子は慌てた表情で答えた。

「そ~なんだ~、残念。圭子さんのお尻、大好物なのにな~」

そう言って、遼次は圭子の頭を軽く撫でた。

「…も~、手だけって言ったのに~」

圭子は嬉しそうにしていた。

遼次の仕事が片付き、帰り支度を始めると、圭子は丸イスを片づけだした。

「それじゃ~、良いお年を」

そう言って、圭子は遼次より先に事務所を後にした。

「良いお年を~!」

遼次は大袈裟に両手でバイバイと手を振った。
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