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第37章 巡淫乱

遼次は圭子の魅力を心身共に感じていた。

出会からの年月は、遼次の幻想でしかなかった。

目の前の現実とのギャップが、余計に圭子への愛情を増していった。

快楽主義にひたすら走るのなら、まだ気持ちも楽だ。

しかし、遼次の心境の変化は、いつも快楽から入り愛情へと変化していった。

快感が愛情へと直結していく事に、今まで何度となく後悔してきたことか。

何度自分の愚かさを思い知らされたか。

それでも繰り返し快感を欲しがる、自らの貪欲さを抑制する事ができなかった。

今、目の前で自分を欲しがっている女がいる。

それだけで、遼次は快楽の渦へ引き込まれていった。

そしてまた、増幅する愛情が、遼次を蔑んで罵倒するかの様に、遼次自身を責め上げた。