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インペイシェント
第6章 ステップアップ
その日の夕方、定時まで残り一時間くらい。

遼次は上司から呼び出され、二階の別部隊の事務所に行くことになった。

その事務所へは、圭子の職場を通って、その脇にある階段を登っていく。

この階段は、例の二人が偶然出くわす場所でもある。

鉄の少し重い扉を開けて階段を上り下りする。

そのため、人が来ればすぐに分かるし、外階段の様なものだから、人通りも少ない。

遼次は圭子の仕事中の後ろ姿を横目に階段へと向かった。

視線が他の社員にバレないように、圭子のヒップラインを眺めながら、階段へと向かった。

遼次は右手の感触を思い出していた。
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