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梨華との秘密
第3章 娘って
 参ったなあ。
 ホントの最終兵器出しやがった。


「いや、悪いのはパパさ。ママの気持ちを考えたら、姿を消すこともなかったんだけど、、。」


「ううん、あれは仕方がなかったのよ。だれも、あなたを責められないわ。でも、また会えたわ。梨華のお陰で、ありがとう、梨華。」


 ありがたい、救いの女神だ。


「うそ、ママに感謝されちゃった。嬉しい。あっ、そうそう、パパはこの団地に住んでるんだって。ママにお願いがあるんだけど、、。」


 梨華の顔が悪巧みで輝くのがわかった。


「ん、なあに?可愛い悪魔ちゃん?」


 ん、三奈の顔にもキナ臭いモンが?!


「う~ん、パパの家に勉強しにいってもいいかな?私、本当のパパと暮らしたこと、ほとんどないし、だから、ね?」


 ヤバイッ!
 時限爆弾が!


「う~ん、いいわ許してあげる。でも、行くときは前もって言ってね。」


 なんでやねん!
 完全にノックアウトやな。


「ありがとう、ママ。行くときは、必ず言うわ。ふう、お腹空いちゃった。」


「あぁ、ご飯まってて用意するから。あっ、二郎さんも食べて行く?」


 うわっ、誘惑が!


「えっ、いや悪いから。」


「ううん、大丈夫よ。あなたの分くらいなら、あるから。あっ、ご家族がいるわね?ごめんなさい引き留めちゃって。」


 どうする、正直にいうか?


「いや、家族はいないよ。結婚もしてないし。独身だ。ご馳走になるよ。一人で食べるより楽しいしね。」


 ばかっ、罠だ!
 梨華の瞳が輝いた。
 彼女が口を開く前に、三奈が口を開いた。


「独身?じゃあ、たまには夕食を食べにいらして。私も梨華もその方が嬉しいから。あっ、それと、梨華があなたをパパって?それはどうして?」


 どうしよ?
 言うかな、ええやろか?


「ママ、私、パパに助けられたって言ったでしょ。その後にパパになってって、私が頼んだの。私も家に帰るまでって思ってたから。パパ凄かったのよ。」


 嬉しそうに言う梨華に、三奈の目がギラッと光った。


「変わらないのね、パパは。梨華に絡んだ不良も気の毒ね。」


「えっ、パパってそんなに強いの?」


 三奈の顔がシメシメと言う感じで、


「えぇ、パパは高校生の頃から空手をちょっとね。試合は強くなかったけど、実戦わね。」


 うへっ、わややな。
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