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梨華との秘密
第4章 娘との日々
 勉強をしていた手が完全に止まりやがった。


「ママ、梨華にも教えてね。パパのホントに美味しかったから。」


 あらら、後ろから鉄砲が。
 ヤベッ!
 三奈が嬉しそうな顔してるぞ!


「そうね、梨華にも教えてあげるわ。うふっ。」


 ワワッ!
 目配せまでしてるぞ。
 くそっ、立て直せ!
 無理!


「やれやれ、ママと梨華にはかなわないな。じゃあ、日曜日にでも二人でおいで。落ち着いて教えてあげられるからね。」


 しめたって、顔しやがったぞ!
 ヤバイ!


「えっ、いいの?そうね、そうしましょ。二人で来るわねパパ。」


「うわあ、嬉しい。家族でお料理なんて楽しい!」


 あっちゃあ、やられた。
 参った。
 梨華と三奈の母娘二人が顔を見合わせ微笑んでいた。


「よしよし、二人とも覚悟しておきなさい。修業は厳しいぞ。」


「はあい、お師匠様。どうかよろしくご指導下さい。」


 あっちゃあ、あっかんなぁ。
 すっかたなかべさなぁ。


「よしよし、殊勝な心がけじゃ。二人とも間違いなく教えてつかわす。しかし、一人前になるまでは厳しく躾て、いくからな。」


 二人とも嬉しそうに、口をそろえて、


「はい、お師匠様。厳しく躾て、悪いことをしたら罰を与えて下さい。」


 ん?
 罰?
 三奈の瞳にあこがれたような光りが?
 気のせいや、気のせい。


「こらこら、二人してパパをからかうんじゃないよ。ん?ママ、食事が済んだらお風呂に入っておいで。後片付けは、やっておくからね。」


 母娘二人のクスクス笑いが聞こえ、


「はあい、パパ。ママは了解しました。美味しいから食べ過ぎちゃった。」


 嬉しそうに三奈が微笑み、食器を洗い桶にいれながら、


「お風呂の後のサービスはいかが?もちろん、スペシャルサービスよ。うふっ。」


 イタズラッぽく、小声で三奈がささやいた。
 ヤバイッ!


「いいね、スペシャルサービス。楽しみだな。ふふっ、梨華も一緒に?」


 軽くスパイスを利かせて見たが?


「うふふ、梨華も一緒?いいかな、家族で楽しんじゃう?」


 あらま、逆に返されたよ。


「あはは、楽しみだ。」


 軽くいなそうと思ったが、三奈の瞳に真剣さがチラリとのぞいた。


「パパ、ママ、二人してなにしてんの?怪しいなぁ?うふっ。」
 
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