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梨華との秘密
第4章 娘との日々
 どうやら、俺はヤバイ状況にいるらしい。
 どう答えようかと、迷っていると、


「あらあら、梨華も襲われたいの?困ったわねぇ、うふっ。」


 困ったわねぇって、困ってないやろ、三奈!
 母娘二人の視線が俺に集まり、突き刺さるようにチクチクした。


「あらら、二人とも襲われたいんだ。パパは一人しかいないからねぇ?今夜は川の字で我慢だな。」


「プッ、ふふ。」
「うっ、ふふっ。
「ブッ、ブブッ、はははっ。」


 三人同時に吹き出し、家中を笑いが満たした。


「楽しい、パパ、ママ、三人て、私、初めてだけどこんなに楽しいなんて知らなかった。」


 梨華の言葉に三奈の瞳が、少し潤んでいた。


「パパも初めてさ。梨華とママには感謝してるよ。ずっと一人だったからね。」


 俺がそう言うと、三奈の潤んだ瞳から一滴、大粒の涙があふれ頬を伝った。


「パパ、梨華、ありがとう。ママも、嬉しい。梨華、ママがあなたのパパと早くに別れちゃったから、ごめんね、梨華。」


 三奈の姿に幸の顔がダブって見え、俺もいつのまにか涙があふれるのを、抑えられなかった。


「いけない、いけない、涙がでちゃった。ママ、梨華、お前たちを幸が引き合わせてくれたのさ。」


 俺が梨華を手招きし、三奈と梨華の肩を抱いた。
 三人の肩が震え、涙があふれた。
 俺は幸が微笑んでいるように見えた。
 俺は手近にあったハンカチを二人に渡し、自分はティッシュで涙をふいた。


「二人とも、ありがとう、俺の家にきてくれて、さあて、梨華は勉強、終わったのかな?ママは、飲まなきゃね。」


「そうね。ユックリ飲まなきゃ、ね。梨華、なにか飲む?」


 三奈がグラスを軽く揺らしながら、梨華に聞くと、


「う~ん、アイスコーヒーかな?氷沢山、あとも沢山。勉強は終わったぁ。」


 ヤンチャ風に梨華が答え、リビングで片付ける音が聞こえた。


「美味しいのを入れてやるよ、梨華。お代わりはどうだい、ママ。」


 言いながら、俺はコーヒーをドリップし、氷とグラスを準備した。


「私も、おかわり頂こうかな?」


「あぁ、グラスをくれるかな、ママ?梨華は、明日も来るって言ってるけど大丈夫かな?」


 梨華の方をチラリと見ながら、少し考える風に三奈が言った。
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