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アネゴ的カノジョ
第5章 陽と陰
 
 振り返った雅人の顔が瞬間に赤く染まる。

 胸がドキッと高鳴り、鼓動は次第に早まっていく。

「ん? どうした、マサ?」

 薄い生地に覆われた胸から視線を離せない雅人。

 頭の中に覗き見た光景が鮮明に蘇ってくる。

 グニュグニュと艶めかしく変形していたそれを間近にして、体に熱さを覚える。

「…って。おい、マサっ」

 強張った儘の雅人を覗き込む杏子。

「うわっ! あ…姉ちゃん……」

 杏子の整った顔立ちが間近に迫った事で、漸く我に返る雅人。

「お、おは……よ………」

 挨拶されたと感じ、口を開くが言葉が続かない。

 覗き込んだ杏子の顔に、昨夜の恍惚な表情で喘ぐ淫らな女としての顔が重なって、慌てて視線を逸らした。

「ったく…。朝から元気ねぇなぁ」

 いつも通りの口調で雅人の横に並ぶ杏子。

「そ、そんな事………」

 両手を頭の後ろで組んで歩き出す杏子に、雅人は戸惑うだけだった。


…姉ちゃんのあんな姿……
覗いてたなんて………
それに……姉ちゃんもああいう事………
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