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アネゴ的カノジョ
第5章 陽と陰
歩きだした杏子に伴って、伏し目がちに足を動かす雅人。
女性も自らを慰める行為をするというのは分かっていても、身近に居る男勝りの杏子までもがしているという事に戸惑う。
更には偶然にも見付けた壁の隙間から、その痴態を覗いていたという負い目。
杏子の顔をまともに見る事など出来なかった。
それでも、思春期の男子の本能。
両手を上げて隣を歩く杏子の、無防備に晒されながらユサユサと揺れる胸へとチラチラと視線を向けていた。
「……って、聞いてんのかこらぁっ」
杏子の声が耳に届くと同時に、首に杏子の腕が掛かる感触。
それを感じた瞬間には、杏子の豊満な胸が迫って来ていた。
あっという間にその胸に顔を埋められる雅人。
眼鏡が顔に当たる痛さよりも、顔に感じる柔らかな感触に顔が熱くなっていく。
しかし、それも束の間、息苦しさに藻掻き始める。
「ふぐっ…ふぐっ……ね…姉…ひゃんっ」
「んっ……こ…こらっ………しゃ…喋るなっ………」
胸に埋まる雅人の口の動きが、仄かに昨夜の余韻を残した杏子の口から軽く熱い吐息を吐き出させた。
「く…くる……ひい…かりゃ……」
杏子の言葉など苦しむ雅人に聞こえる筈も無かった。