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アネゴ的カノジョ
第5章 陽と陰
「全く、姉ちゃんはぁっ」
「あははっ。わりぃわりぃっ」
プリプリと怒りながら歩く雅人の隣を、杏子は悪びれた素振りもなく歩く。
「大体さぁ、こんな場所であんな…さぁ………」
しかし、怒りが持続しない雅人。
顔中に感じた杏子の胸の柔らかさを思い出して、言葉が尻窄まりになっていく。
「ん? んん?」
頭の後ろで組んでいた腕を解き、雅人の顔を覗き込んだ杏子。
雅人の様子にニヤッと笑みを浮かべると、徐に雅人の腕に腕を絡ませた。
「何だぁ? 姉ちゃんのおっぱいに興奮したかぁ?」
「ば、バカっ。姉ちゃん、声でかいっ」
慌てて周りを見回す雅人。
誰も見ていない事にホッとするも、肘に感じる杏子の胸の感触に赤面する。
「ね、姉ちゃん…胸っ。胸、当たってるからっ」
小声で諌める雅人だったが、杏子はニヤニヤと口角を上げるだけだった。
「ホントは嬉しいんじゃないのかぁ? マサぁ」
「ち、違うってっ!」
思わず大声を張った雅人。
その声に、周囲からの視線が集まる。
「あ……。 てか、姉ちゃん、何でこんな時間に此処に居るのさっ」
視線を感じて、慌てて話題を変える雅人。
「へ?」
キョトンとした杏子だったが、徐々に顔色を蒼褪めさせていった。
「や…やべえぇぇぇっ!」