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おこごと
第3章 朱鉛


「…ちょっと、離してよっ!!」
杏里は隼人の腕を振り払う。

杏里の声に、隼人は、ハッとして足を止めた。二人はマンションから随分外れた住宅街にいた。
頬を赤く染め、上目遣いに隼人を睨み付ける杏里の呼吸が荒い。
そんな杏里を見ていると、隼人の中で、またフツフツと怒りが沸いてくる。

「お前!また懲りずに男と会ってんのかよ!」
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