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可愛いヒモの育て方。
第8章 芽生え

「そうだなぁ。BLものでもありかなぁ」
「男どうしのやつ?」
「そうそう。麻人は受けと攻めどっちかなぁ。一見受けっぽいけど、あえて攻めでもありかも。ギャップ萌え? ね!」
「……そこで同意を求められても。男どうしのやつなんて、読んだことないし」

 そりゃ、麻人がそっち方面を読みかじってたら、それはそれで驚いてしまう。

「男の子って、どういうジャンルが好きなの? やっぱりSFとか? ファンタジー?」
「そもそも俺、本読まない。漫画もあんまり」
「そうなの? じゃあ、なんでパソコン漁って私の読んでたの?」

 基本的にあのパソコンには、女性向けの官能と、昔書いてた恋愛物のファイルくらいしか入っていない。私自身、他のジャンルを書いたことがあまりなかった。
 最初は単純に、興味本位で面白がってるだけかと思っていたけれど、わりとがっつり読んでくれているようだった。嫌がらせ半分の私の妄想話にも、耳を傾けてくれていたし。
 だからてっきり、麻人は本が好きなのかと思っていた。

「エロか。目的は濡れ場!?」
「……知り合いが書いたエロなんて、こっぱずかしくて読めません。濡れ場はほとんど抜かしてました」
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