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第3章 新生活のはじまり

『前も後も痴漢だな。どうすんのお前』


泣きそうな私を
からかうように
トビが囃し立てる。

どうして誰も
助けてくれないのよ！


地下鉄が次の駅に着くなり
私は目の前のおじさんの
足を思いきり踏みつけて

一目散に逃げ出した。


ホームも
人がいっぱいで
なかなか女性専用車両まで
たどり着けない

あと一歩のところで
発車しそうになり

仕方なく
ひとつ手前の車両に
再び乗った。


『懲りねえなぁ』

（仕方ないでしょ！）