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毒舌
第3章 新生活のはじまり
今度は
変なおじさんもいなくて
しばらく
窮屈なだけの時間だった。
私より少し背の高い
高校生の男の子が
呟くまで。
「……お姉さんすごいいい匂い。ヤバイ」
「は?」
目と目が至近距離であった。
慌ててそらしたけど、
さっき聞いたのは
空耳じゃない。
『中年のオッサンよりマシじゃねえ?』
(そういう問題じゃないの!)
『少しサービスしてやれよ』
きっとトビは
ニヤニヤとして
私をからかっている。
腹が立つ!
なるべく
男の子から距離を取ろうにも
どこにもいけないし
せめて向きを変えるのが
精一杯。
『むしろ背中は無防備じゃねえの?』
さっきは
前から胸を触られたんだから
そんなはずないと思ったけど
案の定無防備だったのか
男の子は
ピッタリと寄り添っていた。