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第11章 堕ちていく

そのまま
香島さんは
慌ただしく
営業回りに出ていった。


私も
何事もなかったように
仕事に戻る。


『そんなに女医に拘るかねぇ』

（……だって）


いくら相手がお医者さんでも
トビの見ている中で
男の人に診察されるとか


（ぜったいいやぁっ！）

『考えすぎだろうが』


トビには
乙女心なんて
わからないわよ！