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毒舌
第16章 試してみない?
トビの存在を
否定されることは
私にとっては
依存していたものを
すべて喪失する絶望を含む。
それは何より
私という人間の
存在否定に繋がる。
「試しに治療してみない?最初は戸惑うと思うけど」
すでに
戸惑うどころの
騒ぎじゃなくて
私の心は
ザワザワと
大嵐を迎えていた。
「治、療、?」
もしそれが妄想ならば
トビが消えちゃうなんて
そんな馬鹿な話はない。
恐怖、殺意、
めまぐるしく
今まで感じたことない
悪意という悪意が
渦巻いた。